半透膜で仕切った容器のそれぞれの部屋に濃さが違う水溶液を入れておくと、薄い方から濃い方の部屋に向かって水分子だけが移動します。
この現象を浸透といいます。(野菜に塩をかけると、水分がひとりでに出てくる現象と似ています。)
ところが、濃い方の部屋に一定の圧をかけると浸透が止まります。
これらの液体が(純水と食塩水のような)純溶媒と溶液のとき、ちょうど浸透が止まるときの圧を「浸透圧」といいます。
濃い方の部屋に浸透圧より大きな圧をかけると、今度は逆に濃い方から薄い方の部屋に向かって水分子だけが抜け出て行くようになります。
この現象が「逆浸透」です。
この逆浸透を浄器に応用したのが逆浸透膜浄水器なのです。
この浄水器には、メンブレンと呼ばれるフィルターがあります。
0.0001マイクロメートルの極めて小さな穴が散在している多重層のろ過膜です。
水分子は圧力によってこの膜を通過できますが、放射性物質や金属イオンなどは90%以上、バクテリア、ウイルスなどの有機物質などは100%通過できません。
つまり、無機物質は90%以上、有機物質は100%除去するということになります。
このろ過装置(逆浸透膜)を通過できた水は、極めて「純水」に近い水になり、この水をRO水(Reverse Osmosis Water)といいます。 また、この膜を通過出来なかった水(不純物が多く含まれた水)は、廃棄水として排水されます。
直径(μm) | |
---|---|
セシウム | 0.0005 |
ヨウ素 | 0.0004 |
コバルト | 0.0003 |
メンブレンの孔 | 0.0001 |